ゲーム開発等に携わったことのないととふですが、青山さんの書かれた「ドラゴンクエストXを支える技術」を読みましたので、ドラクエ10プライヤー目線での感想を書きたいと思います。
ドラゴンクエストの哲学
ドラゴンクエスト10に限らず、ドラゴンクエストシリーズには堀井さんをはじめとした開発・運営陣の哲学を随所に感じ、非常に意識されてゲームを設計、創作されているだと思いました。
まずは最初に。
ドラゴンクエストは誰でもクリアできるゲームとして設計されており、それ故に、『恐らく小学生ぐらいから大人に至るまで幅広い年代に愛されている国民的なゲームになっている』と運営は考えていること。
それに対してドラゴンクエストは、コツコツ続けていけば誰でもクリアできるゲームです。序盤の戦闘では弱い敵にしか勝てませんが、勝てば経験値という数値が増え、それが一定以上になるとレベルアップします。レベルアップとは、プレイヤーキャラクターが成長して強くなることです。このときレベルという、プレイヤーキャラクターのつよさの指針となる数値も増えます。レベルアップを繰り返すことで強敵に勝てるようになり、最終的にはクリアできます。このバランスがすばらしく、ドラゴンクエストの人気が高いのもうなずけました。
ととふは、デルメゼⅣやメイブⅤのハイエンドコンテンツを楽しんでいて、バトルに精通しなければ倒せないようなハードルをフレさんたちと乗り越えて得られる達成感を感じることを一つの楽しみにしています。
それ故に、ファントムボールもリンク無しで耐えるようになったりしたら終わりじゃないか?と思っていたり、また緻密に設計されている各種調整(ガルドドンのおぞおた耐え、ルベランギスの守備とHP etc)などなど、さまざまなバトル班の工夫がレベルアップと共に失われていき、やがて、それらの区別もつかなくなり、単なる雑魚として認識されてしまうことに悲しさを感じるとともに、バトルコンテンツの寿命を短くしているのではないかとすら思っていました。
しかし、ドラクエの哲学に落とし込むとレベルアップをしていけば、あのデルメゼⅣもやがて倒せるようになるといった思想をもって設計しているんだということを改めて認識しました。
そうすることによって、バトルが苦手な人や子供、ひいては還暦を超えたご老人の方なども、それぞれの目標をもっていつかは倒せると信じてステータスアップをしたりして、よりすそ野の広い人達に楽しんでもらっているのだなと思います。
相当根幹にあるはずの哲学ですので、ここを変えるような提案等は通らないでしょうし、みんなから愛されるバランスというものはここにあるのかと思います。
全然別の観点となりますが、広場で提案をする際には、こうした哲学をふまえて、バトル系の提案をするようにしようと思ったりしました。神調整や人気の高かった昔のバトルを楽しみたい(蠍Ⅲ、メイブⅤ等)という思いがあるのですが、例えば・・ 昔頑張っていたメイブⅤを実装時やVer5.2のレベルや装備で改めて挑戦できる等のハイエンドバトルルネッサンス)のようなものができればなと思ったりしてます。(ひょっとしたら、スピンオフしてアクションゲームとして設けてもいいのかもしれませんが)
ドラゴンクエスト10に関わる哲学
MMOだけど、MMOらしく仲間と組んでプレイすることを強制しない。
これも良く感じる疑問点で、ととふは仲間と組んでプレイすることが好きですし、仲間と組んで取り組んだ方がベネフィットがあるように設計した方がMMOとして盛り上がるのでは?と思っているのですが、ソロプレイでも完全な一人でもなく、サポート仲間とのプレイで遊べるように設計しているんですね。
筆者はプライベートでもドラゴンクエストXをプレイしていますが、「サポート仲間」のおかげで続けられていると言っても過言ではありません。自分から仲間を集めて遊ぶのは苦手なので、ソロプレイで進められるメリットは大きいです。そして、ソロプレイでも完全な1人ではなく、「サポート仲間」とのプレイでも自分以外のプレイヤーを感じることができるので、秀逸なシステムだと思います。
ドラゴンクエストXの開発初期に、こんな話を聞きました。 「新宿を1人で歩いているときに、知らない人に声をかけないし、仲間になってどこかに行ったりはしない」 新宿というのは、スクウェア・エニックスの本社がある場所です。
ゲーム開発者は、オンラインゲームでは複数人でプレイさせなければならないと考えてしまいがちだけど、その必要はないよ、ということです。筆者はこれを聞いて、目から 鱗 が落ちました。
これらの哲学も随所に青山さんの本からは読み取るような事ができました。
大規模なオンラインRPGを支える技術や舞台裏には、
一見すると、間違っているんじゃないか?と思うような、運営として惜しいなと思うことが多々あったのですが、そうした人も含めて大きく包むような思想があるのだと改めて考えさせられる書籍でした。
このバランスが本当に支持を受け続けられるのかは、これからの、運営の手腕・バランス感覚にかかっていると思います。まだ全部読み終えていないですが、運営側の話を聞くのは非常に面白いと感じさせる一冊でした。


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