ドラゴンクエストX(DQ10)をプレイしたことのある人なら、誰もが一度は目にしたことがあるであろうツールの一つ――「じゃんぼりぃの傘」。
これは2013年6月22日に公開されたWindows版DQ10ベンチマークソフトのタイトルで、短編ストーリー仕立ての約5分間の可愛らしいセリフ無しのショートムービーそのものです。
当時はWii版が先行し、PC版参入を目前に「自分のパソコンで本当に動くのか…?」と不安を抱えていたプレイヤーが多かった時代のはず。時代は違えど、ととふもコロナ渦中に慌てて帰国して、持ってるノートパソコンで本当に遊べるんかな?と思いながら、ベンチマークソフトを試した時の記憶が蘇ります。

赤い傘を差したオレンジ色のショートボブのドワーフの女の子。雨を降らせようと奇妙な儀式を始める、たった5分間の無言の物語。発売から13年が経った現在(2026年)でも、ベンチマークがバージョンアップを重ねる中、中核のムービーは変わらず、プレイヤーの間で「共通の記憶」にきっとなっているんですね。
ととふは、たまたまゴールデンウィークのこの日にベンチマークソフトをいじっていて、懐かしくてXにツイートしていたところ、フレさんから色んな反応があって、
じょんぼりぃの傘、そういえばドワーフの日だったなぁ~と思いながら、ととふが知らなかった頃の話も、X(旧Twitter)の実際の投稿、残っているブログ記事、YouTube動画などを時系列をたどりながら、「じゃんぼりぃの傘」に対するプレイヤーたちの声を振り返ります。
じゃんぼりぃの傘とは? ベンチマークソフトのストーリー
主人公のじゃんぼりぃは、オレンジ色のショートボブがチャームポイントのドワーフの女の子。「目覚めし冒険者の広場」のサンプル画像に初期から登場していたキャラクターでしたが、本格的に有名になったのはこのベンチマークソフトがきっかけでした。
岳都ガタラで赤い傘を見かけたじゃんぼりぃが、モンスターを倒して貯めたゴールドで傘を購入。しかしあいにくの快晴。そこで錬金術のような儀式を始めて雨を降らせようとする……
──「じゃんぼりぃの傘」あらすじ
儀式を始めると、空からスライムたちが降ってくるわ、地中からくさった死体がわらわら沸いてくるわ、全裸のプクリポの大群はやってくるわで、術は一向に成功しません。ベンチマークソフトとしては、ここがマシンパワーの計りどころ。
そんな中、降ってきたスライムベスの1匹がじゃんぼりぃになつき、暑さでダウンしてしまいます。慌てたじゃんぼりぃが赤い傘を広げて日陰を作ると、スライムベスは無事回復。やがて雨が降り始め、見守っていた冒険者やスライム、くさった死体、プクリポたちと共に喜びの中で動画は幕を閉じます。
セリフは一切なし。表情豊かなアニメーションと、Wii版初期のオーケストラBGM、そしてコミカルな動きだけで、視聴者を完全に魅了する5分間でした。
⇒ととふもベンチマークの過程で動画とってますのでよかったらこちらから。
📅 時系列で振り返る「じゃんぼりぃの傘」
🌟 2013年6月22日 ―― 公開当日「爆発的デビュー」
運命の2013年6月22日。ベンチマークソフトの公開とともに、X(当時Twitter)上では一気に投稿が連発。フレーズが瞬く間に定着していきました。
多分、このあたりが初投稿? 多分当時は、冒険日誌とかの方が盛んだったと思うんですがととふはうまくたどれませんでした。
同日には、ゲーム情報サイト4Gamerもこのベンチマークを取り上げています。「ドワーフ族の女の子による,傘にまつわる冒険をスコアと一緒に見守ろう」というキャッチコピーで紹介されており、当時から「ベンチマーク」というよりも「物語」として注目されていたことがうかがえます。
📺 当時の空気が残る貴重な動画
当時のプレイヤーがPC版の画質や動きに感動しつつ、ベンチマークを回していた頃の空気が、今見ても色濃く残っている動画たちです。「自分のPCで本当に動くのか?」という不安と期待が入り混じる、あの独特の興奮を思い出させてくれます。
同時期、ブログ界隈でも反応が上がり始めます。2013年6月のアメブロ「アルコンの冒険日記」では、こんな一節が残されていました。
映像を5分ほど、見るものなのですが、これがすごくいいのです(^^♪
──アルコンの冒険日記(2013年6月)
記事タイトル自体が「じゃんぼりぃの傘」なのに、本文では傘の話題はほとんどなく、ただただ可愛さとクオリティを褒め称めている。当時の空気感を物語る一文です。
どわ子のかわいさが画面から溢れ出す、素晴らしいベンチw
ふらちゃんや、よもぎさんなど、大手配信者がどわこなのも納得ですよね。ととふもぽってさんのブログ凄い読んでたし・・じょんぼりぃの影響もあるのかもしれない。
☔ 2013年6月下旬~9月 ―― PC版開始前後の継続ブーム
9月26日のWindows版サービス開始と、特典である「赤い傘」の実装によって、ブームはさらに加速。最初の大きな興隆ピークを迎えます。
今回アレさんからも教えてもらった内容だけど、たどってみると、
「ムダに感動させられる」という、絶妙な表現。ベンチマークソフトに「感動」という言葉が結びつくこと自体、極めて異例のことでした。
💻 2014年~2016年 ―― 「新PC購入時の定番」として定着
軽量だと言われるドラクエ10ですが、やはり昔は「PCを新調したらまず『じゃんぼりぃの傘』を回す」ということが今よりも多く行われてきたようですね。
「日課」という言葉が出てくるあたり、もはやベンチマークソフトの域を完全に超えています。2015年9月の「イージスの冒険日誌」でも、こんな一節が残っています。
計測中に出てくる『じゃんぼりぃ』ちゃんをみてた方が、とにかくかわいくて楽しかったりします
──イージスの冒険日誌(2015年9月29日)
スコアを見るためのソフトなのに、本来の目的を忘れてしまうくらい可愛い――この本末転倒さこそが、「じゃんぼりぃの傘」の魅力の本質なのかもしれません。
✨ 2017年 ―― グラフィック強化で再注目
2017年8月7日に公開されたVer.1.5で、顔と指のテクスチャが高画質化。Windows版ユーザーは、ゲームのVer.3.5.8以降のグラフィックを限定的に先取りして体験できるようになりました。これにより、再びじゃんぼりぃに注目が集まります。
「宣伝効果になる」って言葉には今でも同感です。技術進化が「懐かしいのに新しい」体験を生んだ、2回目の小さな興隆でした。
🌧️ 2018年~2022年 ―― ノスタルジー層の拡大
この頃から、投稿の質が変化していきます。「すごい!」「かわいい!」という即時的な感動から、「懐かしい」「今見てもかわいい」という、ノスタルジックな感動が主流になってきた感じです。
「かわいさに変わりはない」――この一言には、年月を経てなお色褪せない魅力への、深い共感が込められています。
また、2021年12月24日にもベンチマークソフトのバージョンアップがあり、ブログ界隈でも「運営さんからクリスマスプレゼント!?」と話題になってますね。
🏛️ 2023年~2026年現在 ―― 文化遺産としての安定興隆
毎年凄い多いわけじゃないですが、Xなどでは投稿があって、アップデートのたびに、プレイヤーは新しいPCで「じゃんぼりぃの傘」を回し直す――その繰り返しが、脈々と続けられている感じなんだと思います。
爆発的なバズはなく、静かに、しかし確実に回り続ける――そんな存在のようです。
「古いノパソで遅いじゃんぼりぃの傘」という投稿には、思わず笑みがこぼれます。本来であれば「PCの性能が足りない」という残念な状況のはずなのに、ちょっとしたツイートネタにできちゃう――それが「じゃんぼりぃマジック」なのでしょう。
ゲーム内で再現しようとする愛深きプレイヤー。「近づきすぎるとバトルになる」というオチも、なんだかDQ10らしくて素敵です。
💖 なぜ今でも心に残るのか
13年経った今も愛され続ける理由を、整理してみました。
① 可愛さと癒し
セリフなし、表情と動きだけで語る5分間。情報過多な現代にあって、これほど「何も考えずに見られる」コンテンツは貴重です。
② DQ10の歴史の証
PC版参入の象徴であり、Wii時代から続くBGMやグラフィックが詰まった、生きた史料。13年前の自分と今の自分を、同じムービーが繋いでくれます。
③ プレイヤーとの共同体験
ベンチマークを回した誰もが「じゃんぼりぃ可愛い」と共有した思い出。新しいPCを買うたびに、誰かが必ずこのムービーをXに投稿する――それは、見えない仲間との挨拶のようなものです。
④ 赤い傘という 思い出
今も雨の日に装備して「じゃんぼりぃ気分」を味わえる。ベンチマークの世界が、ゲーム本編に確かに息づいています。
☂️ 終わりに ―― 雨の日も、晴れの日も
ベンチマークソフトは、今も公式サイトからダウンロードできます。PCの性能も良くなり、昔ほど気にすることはなくなりました。段々とドラクエ10のためにベンチマークソフトを使うことは少なくなってくるのかもしれません。
でも新しいPCを買ったとき、久しぶりにDQ10を再開するとき、ぜひ一度「じゃんぼりぃの傘」を走らせてみてください。
13年前のあの可愛い笑顔と、雨を呼ぶ奇妙な儀式。空から降ってくるスライム、地中から湧き出るくさった死体、そして全裸で駆け抜けるプクリポたち。スライムベスを救う、たった一本の赤い傘。
セリフのない5分間が、きっとあなたを優しいノスタルジーに包んでくれるはずです。
あの2013年6月22日、午後1時2分。最初に「じゃんぼりぃの傘」とつぶやいた人がいました。それから13年、無数のプレイヤーが同じ言葉を、同じ気持ちで、同じように呟き続けてきました。
雨の日も、晴れの日も。
赤い傘を差して、じゃんぼりぃと一緒に、これからも冒険を続けよう。

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